お芝居
2005/09/13
この夏、歌舞伎と文楽を観ました。ともに初めてです。
幸運にも通の方にどちらもとても良い席を用意していただきました。
勘三郎さんが目の前で広重の絵のようにカッと眼をむき瞳を振動させながらポーズをとるわ、宙に浮ぶわ。それはもう楽しませてもらいました。扇雀さんのたおやかな舞いも素敵でした。
幕間に歌舞伎座の館内やお店を見物。演出家、串田さん自作の”法界坊”人形も展示してありました。
人形浄瑠璃はまた独特の風情がありました。
黒子の覆面は先が尖って、まるでイカのよう。悪魔的でなかなか無気味でした。
意外だったのは出演する人形の大きさやクオリティーがまちまちだったところ。当然、偉いヒトや主人公は堂々と大きく、色白で器量良し。足や手の指の関節等、細部までつくり込まれているのに対して、子供や農民、おかっぴきの人形は抱き人形程度のサイズでしょうか? 頭身は役どころに関係なく大体大人バランス。黒子が独りで操るんですね。徹底してます。
まるで小さい子が家にある、タイプの違った人形や縫いぐるみを集めておままごとをする様な、或いは文化祭にクラス皆で手作りした様な、懐かしい感覚を思い出しました。
媚びない微笑ましさ、それでいて古典芸能の確かな芸と技。これをカルチャーショックというのでしょう。
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人形が人に抱かれ、やさしく世話してもらっているの
を目にする時。それはまさに作者にとって至福の時間。
自分では解らなかった素直な可愛らしさを発見し、命
が宿ったという確信が持てるのです。
操り人形か・・・ようござんすな~~。
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