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うちの猫って -2-

2005/02/06

花梨(カリン・うちの猫)がマグロの骨を食べてしまった!
日曜日の午後、猫とふたり、居間のストーブの前でくつろいでいたところ、父が買い物から帰って来て、騒々しく食料品の出し入れを始めた。昨年末、ついに閑古鳥が鳴く小さな書店をたたみ、完全な年金生活者となった老夫婦の日課は、数十円安ければ隣町の商店街まで足を運ぶ事であり、それが結構楽しそうである。
~で、「これはカリンの餌に。マグロの切り落としだから新鮮だ。美味そうなところだけ刺身で食べるか?」と言ったのを聞くなり、私は不信感いっぱいで、母に手渡そうとしていたトレーを横取りした。
やっぱり・・・100円特価!! 一見たんざく型だが、実はどす黒い血合いの山に薄くスライスされたピンク色の白身がトッピングされていた。それじゃぁこの白身は私の昼ご飯に貰おうかと一瞬目がキラリ。でもなーんだ、「過熱用」だって。納得のセール品だった。
母はやれやれといった調子でマグロの荒肉を茹で、猫に安全な食事をと、ダイニングテーブルで丁寧に骨や筋から魚身をむしり取って器に盛り、まるで猫缶の中身そっくりの小山をつくっていた。(この風景、今となっては家族の反対を押し切って猫を飼ってます、なんて誰にも信じてもらえまい)
気晴らしか? ちょっと場を離れていたカリンがLDKのガラス戸の前で「部屋へ入れろ」コールを始めた。寒く暗い廊下で根気よく引き戸が開くのを待っている。可愛そうになり、部屋に通してやるかわりに、私も魚肉の小分けとラッピングに加勢した。案の定猫がキッチンの下でうろうろするのに睨みを効かせながら手早く作業していると、諦めたか?否、ダイニングテーブルの上にしゃがんで魚の残り香を嗅いでいるようだった。え?? ひょっとして何か食べている?! 事もあろうか母がわざわざ避けた骨の残骸をむさぼっている!! 清掃車のように強引にバリバリ音をたてながら、背後に私を感じると、さながらバキュームのように・・・
慌てて猫を抱き上げるともがくもがく。普段は大変おとなしいのに、食い物の前ではただの獣になる。
それはそうと、カリンの胃腸は大丈夫か?! まるでカニを食した後の残骸のように大小様々な硬い骨、中には刃物のように薄く尖った骨もありゾッとした。いったいどのくらい食らったのか?

それから家族で罪のなすり付け合いが始まった。
私はテーブルに超危険物の残骸を置き忘れた母を愚痴り
母は私がカリンの監視を怠ったからと非難し
あげく母と2人で事の発端を安物買いした父のせいにした。
呑気に部屋に戻った父に火の粉を浴びせた後、3人で猫の馬鹿さ加減に溜息した。カリンはシッポをパタつかせて応返していた。

一時期、野良経験のトラウマから食べ物に見境がなく、がっつくのか、
もともとは温室育ちの猫だから食に対する用心が欠けているのか、
こんなに心配しているのに当猫はけろりとしたものだ。やはり釈然としない。

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体型はともかく、墓守が似合いそうな色柄に成長した花梨。





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