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六本木 アート鑑賞の午後

2013/01/30

「会田誠 天才でごめんなさい」展を鑑賞しに森美術館に行った。
わたしの人形の作風を思えば会田さんの作品が趣味に反するのは容易に察してもらえましょう。

立て巻ロールに黒衣の栞姫です。
妹より1年遅れてこの正月にお嫁に出しました。
彼女の睫毛は作者の眉毛です(^_^;)夕鶴か?

つづき>>
でも実物を見た事なくて批判したりはルール違反だし、恐いもの見たさもある。
http://www.mori.art.museum/contents/aidamakoto_main/index.html
人はハレとケの使い分けを楽しむ生き物で、バランスを取るために好物じゃなくても見たり聞いたり食べたりする。
年齢を重ねると大抵偏食になるから気をつけようとは思う。苦にならない程度に(笑。
それと、習い事の関係で国立新美術館の「国際書画展」も観たかったので
六本木の駅を挟んで方向も世界感も正反対の2つの美術展をてくてくとつき合ってくれる連れが欲しくて元教室メンバーのSさんに声をかけた。
平日の昼間に突然誘ってOKもらえる相手は限られます。で、幸いお互いにどちらも楽しめて刺激的な1日となりました。

Sさんの(会田誠展の)感想メールの結びを先に書かせてもらうと
”初めは、うぇーと思ったのが最後は夢中になってました” そうで。
いやぁ後半の方がヤバかったですよねー。でも創作人形が生業だと、少女の裸とか中身とか欠損とか包帯モチーフには免疫あるのでまぁなんとか直視もできます。
美少女キャラやラブドール的リアルさは、私は一応女であるため悪寒はあります。でもこの時とばかりに凝視します。
昨日の今日、”六本木・森美術館が、児童ポルノや女性蔑視、障害者差別を容認する作品を展示しているとして抗議を受けている”というネットのニュースが目に入った。私はこの展覧会でむしろ男性であることのいたみを感じたのだけど、確かに傷つく人たちがいるだろう。またそれを受けて作家の知名度が上がるのだろう。。


全般に日本美術の名作を元ネタにしている平面作品が多いので、古典に詳しければより楽しめます。
オリジナルもマンガやゲームで世の中に散乱している1カットを超大作に仕上げた感じがしました。風刺も常に直球で勝負している。とても素直で大胆な作家ではないでしょうか。

壁一面に広がる、夢の島のように降り積もったスーツ姿のサラリーマンの絵を見て
作家の本気度に胸うたれました。ロリコン小屋とコラージュは哀しかったし、ジェリービーンズのような濃ピンクの部屋は開放的でキュートだった。えぐくないえぐくない。
汚物を宙に浮かせたり、子供時代の絵を真面目にまねたりは正直悪乗りな児童の発想だと思うけど、作品の強さに思わずはぁそうですかと受け流してしまう。何だかしてやられている。広い美術館を埋め尽くす底知れないパワーにまいりました!

その後、毒気さましに国立新美術館まで歩いた。
書も水墨画も澄んだ世界だ。
そこを訪れる人がごく僅かでもオアシスを涸らしてはいけないと思います。


日暮れ時(ここでなぜか)井の頭公園から丸井のビルをのぞむ

ホー

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