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強盗に遭う

2008/04/20

4月19日の深夜2時頃、通り魔強盗に遭った。
向かい風と雨の悪天候がまだ続いていた。普段だったらスタジオで過ごしているが、この日は午前10時から終日教室の日だったため、実家で身支度しようと帰宅の途中だった。
そう!荒れ模様の天候ゆえにいつもより防犯対策を油断していた。雨風と上り坂に揉まれて体力の限界もあった。

強風に煽られながら坂道をふらふら乗り越え、ひらけた実家付近の住宅街に差しかかったところ、脇道から突然フルヘルメットの男が飛びかかって来たのだ。不意に掴み倒され、私は仰向けの体勢になった。気が動転していると同時にまるで夢を見ているかの様に「これはヤバいぞ!ついに来たか!?」という思考につつまれ、もがきながら相手に一撃しようとしたが、空しくはずれた。この時運悪く傘は”折り畳み”で転倒の衝撃で骨は折れてぐっしゃり。相手を突く事は無理だった。
だが仮に抵抗できたとしても的を外したら自分が不利だ。
男はバックをひったくると一目散に駆け出し、数十メートル先きに着けてあったバイクで逃走した。視界は暗く、メガネは水滴で見通しがきかない。ナンバーを確認するには遠過ぎる距離だった。
実は犯行の数分前に私は坂道の途中でバイクとすれ違っていた。多分それは犯人で、私をカモと決め、別の道から先回りして待機したのだろう。巧妙な手口からして男は犯行を繰り返しているに違いない。
逃走するバイクに向かって私は待てー!と叫ぶしか出来なかった。それを聞いて、現場前のアパートの住人男性2人が2階のベランダから「どうしたんだ?」と声をかけてくれた。

私は失敗した。襲われたら、まず叫ばなければならなかったのだ!
そして絶体の危機に直面した時は女らしく「キャー助けて」ではなく「火事だー!!」と騒ぐのが効果的だと云う。(警察官曰く)
この世の中、我が身に災難が及ばなければそうそう動くものではない。正義はバーチャル。皆面倒な事に巻き込まれたくないのだ。特に東京は・・・
今回、財布の中の現金、免許証や全てのカード類、手帳、ケイタイなどの生活必需品を盗られたが、私自身は無事でいられた。不幸中の幸いで、かすり傷と打撲だけ。
数カ所の金融機関に盗難の連絡を入れ、被害届を出すためにそのまま市の警察署で4時間程事情聴集を受け、完全徹夜での教室となった。

ひったくりの被害者は90パーセント以上が女性だそうだ。
おばあちゃんが特に危ない。犯行の場所も時刻も危険ゾーンの特定は難しく、犯人は10代後半~若者が多いそうだ。皆様気をつけてください!
犯人は人を瞬時に観察し、隙をついて襲ってきますよ!

犯人がもしこのブログを読んでいたなら、速やかに所持品を返して欲しい。もしかしたら私の息子であってもおかしくない年齢なのか? 遊ぶ金欲しさの犯行だったなら尚の事。汗水の滲みたバックと中身をそっと返して欲しい。子供時代に好きだった人や宝物や音楽や物語の事を思い出してもらいたい。手っ取り早く人のものを頂くのではなく、成功は難しくても自分で創造し評価してもらう事の素晴らしさを理解してもらいたい。警察のお世話になる前に、ずれた歯車を自力で元にもどすよう努めて欲しい。ただ願うだけ。

盗られた財布には不運にもビスクの材料を仕入れに行くためのまとまった額を入れていた。
これから暫く生活が不便だ。カードの再発行にはそれぞれ手間も手数料もかかる。SUICAの残高も結構あった。手帳は3冊!今後連絡が取れなくなる相手もいる。
何よりこれから毎日通勤時に精神的苦痛と不安に喘ぐわけだ。

この日教室を終えて夜11時頃、いつもの道で実家に向かった。犯行現場付近になると、2輪はもちろん人や車と擦れちがう度に緊張が走った。路上駐車している車にさえ身構えるようになった。人を疑うというのは寂しいものだ。

そうして現場を過ぎた所で、大きな木刀を持って歩く男とすれ違った。
父だった。


追記
事件の翌日、母がこれまでにない目の不調を訴えている。私の件による睡眠不足と心労だとしたら申し訳ない。
そして実家猫のカリンがダイニングの絨毯に粗相をした。
カリンは家族間のトラブルに敏感だ。昨夜から明け方にかけて家族の不穏な空気がストレスになったのだろう。犬と違ってオロオロはしないけど、しっかり動揺していたのだ。可哀想だけどまた暫くLD立入り禁止の刑。一旦臭いが付くとそこはもう便所となる。猫の粗相のクリーニングはかなり大変なのだ。

とにかくいろいろと巻き込んでしまった。私の歯車も調整が必要だ。







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