寓話の栞紐の少年が1体ほぼ完成。髪の毛を90年代イングリッシュマン風にカットしたいのだけど、まだ勇気が出ない。ここまで切り込むのにも呼吸を乱した。
実は寓話の栞紐、特に少年的なメイクほど自分の素地でいける人形はない。時折創ってやっぱりここが港なのだと思う。
*世紀末風黒ブレザーの少年は気に入っているので今後も同パターンでつくって行きたいな*
自作モデルの中では化粧のタッチが俗にいうマンガの耽美キャラに最も近く、楽に役づくりが出来ると言ったら問題発言か?
劇画は人物を描き分けて物語を動かしていくのだから絵は当然単純化されている。美人も様式化しているので筆が走りやすい。(とは言え何度窯に入れた事か!)作り手にも受け手にもダイレクト。
それにしてもアニメ・マンガっぽい人形が蔓延する昨今、末が心配だ。その姿は創作人形の原点である「人」そのものを捉えて創られたとは到底思えない。立体としての完成度が薄い人形たちは概して衣装を含めた厚化粧で存在感を補う事となる。そうなると到達ポイントが限られてしまうので、結局似たり寄ったりな人形たちが発生するわけだ。メイク技術の上達(と言っていいのだろうか?)に伴ってナチュラルなオーラは絶たれてしまう、恐い現象。
また、造形がいいのに過剰メイクでぺっとりコーティングされて絶命している人形も見かける。教室を主宰しているので辛口で言ってしまうけど、造形とメイクの相互バランスは私自身が常に気を遣うところだ。
色々な人形があっていい。でも本当に色々ありますかね?
「創作」と銘打った人形即売会から足が遠のいて久しい。自分の領域なのに躊躇って足踏みしている状態。思いは複雑。
身震いするような神業の人形が見たい~~。
取りあえず別ジャンルに刺激を求めながらぼちぼちと。
栞紐のシビアな顔が私をおしゃべりにさせたね。