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現状を受け止める

2007/05/17

やっと諦めがついた。
1年前の教室展、実はその半年程前に焼成窯にかつて無いトラブルが起きていた。ビスクファイヤーの際に置面のケロイドや火ぶくれ、色抜け、変形等等。
それは温度センサーを交換した事で解決したと思われた。確かに事故は無くなった。でもちょっと!?パーツが以前より小さく焼き締まっている! その割には発色や質感に今ひとつ煌めきがない。
単純に考えて上記の相次ぐ事故および極端な焼き縮みは焼成温度が高すぎた場合に発生するのだと思われた。しかしビスクの収縮は温度センサーの交換後に顕著になって、前に造り置いていたパーツと合わなくなってしまった。色調などはペイントで再調整可能だが、ビスクの縮みは致命的だった。使えない元パーツを多かれ少なかれ抱え込み、制限時間内(教室展前)で鋳込みから作り直し、衣装のサイズ直しに追われた。皆頑張ったよね~あの時は・・・

窯は生き物のようだと言われる。
思い返すとトラブルに見舞われる直前は珠の肌のビスクを産出できていた。天寿を全うしようとする植物が花を満開にして種を散らすように、それが寿命目前の実りなんて多分誰も感じなかっただろう。
とにかくビスクパーツのサイズを元に戻したかった。
縮みは焼き物の宿命だが、今以上に作品が小さくなるのは悲しくてたまらない。焼成温度を変え、煉らしの調整等を試したが、これといった成果が得られないまま仕事はペースダウンしていった。
このままでは展示会に向けて何着か準備していたコスチュームはどうなる?
ひとまわり小さくなったヘッドに応じて義眼を合わせるのも一苦労だ。

~という経緯からこの程また重い腰を上げ、縋るように敬愛する わたべりみさんの教室(因に同じモデルの窯使用)で焼成をお願いしてみた。せめて衣装を進めている数体分は元のサイズで仕上げたかった。結果は・・・今の私の窯と同じ収縮率だった。
他力本願とはいえ、未焼成パーツの箱詰めや持ち運びに相当気を遣い、夜型ライフスタイルに鞭を打ち、それなりの苦労はあったのだが・・・脱力。
でもよかったのだ。これでやっと諦めがついた。今までが得していたと思う事にすればいい。そう雑記帳に記すことでけりをつけたい。気を取り直して現行モデルの制作を進めていかないと先は長い。
皆様、今後生まれる人形たちは”小さく見える”のではなくて、”多少小さくなる”ことをご理解願います。あ、angelとkyw-pponはトラブル後の最新作だったので影響なしです。もともと小さい子たちなんだから勘弁よね(苦笑。



また鉢を増やしてしまった。。。
一見オールドローズ(OR)風の中輪房咲きモダンローズ(FB)。
イングリッシュローズ(ER)の鉢植えに混じって目を惹いたデンマークのバラ。全身にうどん粉病痕跡有り。室内蛍光灯下で造花のように写ったが、自由で爽やかで可憐な風情もある花姿。ORを装いきれず、硬い花びらが暴れて歪んでいたのが何故か気に入って購入したのだが、翌日は形が丸く整い上品ぶっていたのが愉快だった。品種名は「クイーンズパレス」。但し株に付いていたラベルの写真はいかにもモダンローズの色形なので間違いないかが不安。ネット検索ヒットせず。かなりレアものらしい。
剣弁高芯の大輪四季咲き(HT)ローズ全盛の頃に人形の代わりにバラに熱中していた私としては、流行りのERやORは日本の風土では存在が繊細すぎると言い張っている。近い将来、毎年続々と作出される「クイーンズパレス」のようなORもどきの新品種(正体は四季咲きで花持ちの良いモダンローズ)が坪庭&アスファルトの住宅街に溢れているだろう。世の中は私のように欲張りで、花のシーズンだけ園芸愛好家もどきが大勢だと思うから。

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