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一日が短い

2007/03/12

もともと何をするのでも人の二倍時間がかかる。
平等に割り振られた仕事をこなす時、それを特に自覚する。
只、思い付きのダッシュ(当然失速もあり)と机に向かう持久力はあったので、なんとか今日に至る。
もう長いこと自分自身の世話を怠って来た。
さすがにこの先の健康や将来に不安を抱かずにはいられなかった。結果、スタジオを移せたのは天からの贈り物だと思える。生活を正すチャンスを与えてもらった。

転居先はなんとキッチンが二つあるので仕事とプライベートを分けられる。買い物は前より不便になったし、これを機会に簡単な自炊を心がけている。炒め物ばかりだけど、なんて健康的な毎日だろう。

相変わらずホームセンターのいい客になっている。始めに寄るのが店先を彩る園芸コーナー。八重咲きのコデマリは砂糖菓子のよう。陽に向かって花びらを開閉するデージーやアネモネ。地面を這う青い小花。春は楽園。天気の好い日はくしゃみや涙目と戦いながら、シャベルとジョウロを持ってうろうろ。

部屋のリフォーム(壁紙貼り)は洗面所に及んだ。
漆喰?の壁の凸面を削り取り、ヤスリをかけ、凹面にパテを詰め、下地に水で薄めた木工用ボンドを塗った。近日いよいよウイリアム・モリスの「柳」を貼る。イギリスの田舎。散歩道、小川の淵にそよぐ柳の枝葉を図案化したと云われる壁紙は、我スタジオのお便所(と敢えて書こう)レトロな石目タイルの床、水色タイルの腰壁(揃って銭湯風)にそよ風を吹かせてくれるに違いない。

仕事もやってます。
先日から始めた幼子60センチ原型が面白い。私は特に球体フェチではなかったはずだが、今回はボディの各パーツを球と同化させることにエクスタシーを感じている。幼子の5本の指はよくバラバラに力強く動いている。指先まで骨が感じられるのに軟体動物のようだ。無意識にとる大胆なしぐさがまた可愛い。
ボディのパーツは球に近いほど滑らかに、しどけないポーズを生む。「まる」は卵や種子、そして子供ぽっさを連想し、母性が刺激される形である。未発達の象徴である形「まる」で構成した造形がつなぎ合わさることでエロティックに成長していくのが楽しい。

 話は遡るが、大分前に大型の少年人形に着手した際、この「球(まる)」に大いに悩まされた。
少年は角張っているのだ。ラインは曲線ではなく直線に近い。故に球体関節で”無造作なポージングが美しい男性”を造るのは至難の業というわけだ。幸せなことに私の「少年試作」の完成をプレビュー以来何年も待ってくれている方々がいる。それでもずっとこの人形を寝かせているのは、私がまだ少年的な直線を球体関節で操るほどの力量がないからだ。趣味ばかりが先行したヘンな人形にしたくはないし・・・要するに思いだけは相当深いわけ。うだうだ・・・絶対創るから。
とにかく今は球(まる)を生かした可愛い子を完成させるのが目標。がんばろうっと。

未だ固定電話及びネットが付かない。不便!
教室欠席の際は必ずケイタイに連絡ください。






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